仏教テーマパークの栄枯盛衰を見守ってきた全高73メートル「加賀大観音」
- 滞在時間の目安:
- 30分~1時間
- 金額の目安:
- 500円~1,000円
最終更新日:2022年4月5日
- 営業日:
- 常時営業(休業日は除く)
- 営業時間:
- 09:00〜17:30
- 休業日:
- 年中無休
観音院 加賀寺にそびえ立つ「加賀大観音」は、石川県加賀市のユニークなスポットです。加賀温泉駅からみえた巨大な観音様に度肝を抜かれ、予備知識なく行ってみることにしました。地図アプリを頼りに向かいましたが、十中八九、道に迷います。観音様を目印に進むと荒れた土地に迷い込み、周りには人影すらなかったので少し不安になります。ようやく参道を見つけ、ほっと一安心していざ参拝!拝観料は大人500円、小人は無料。寺務所を抜けると目の前に大観音が!高さ73メートルの観音様は想像以上に巨大で、金色の輝きを放っています。見回すと、瑠璃光殿や金色堂、本堂や三十三間堂とお堂がたくさんあります。ここで一つ不思議に思いました。「このような広大なお寺なのに参拝客が少なすぎる。。」私たち以外の参拝客は2組だけで、写真を撮影してすぐに帰っていかれました。そこで「加賀大観音」をネットで検索してみてその理由がわかりました。観音院 加賀寺はもともと「ユートピア加賀の郷」という仏教をテーマとする複合テーマパークだったそうです。当初は温泉・ホテル・遊園地・ゴルフ場・美術館などの施設を有し、年間50万人もの来場者で大層にぎわったそう。その後、徐々に経営が悪化し紆余曲折を経て施設は閉鎖されていきました。一部の界隈では珍スポットや廃墟好きのスポットとして知られているようですが、創建時は北陸白寿三十三観音の番外霊場とされており、れっきとした宗教施設であることに間違いなさそうです。実情はよくわかりませんが、せっかくなので一つ一つじっくり見学しながらお参りしました。いまにも朽ち果てそうな屋根や建物がある一方で、本殿には本尊の大日如来や十一面観音、千手観音や薬師如来などが安置され、内部はきちんと管理されているようにみえました。また、高さ10メートル・直径5メートル・重量350トンの世界一大きな梵鐘があったり、加賀三十三間堂では1000体以上の千手観音立像に圧倒され、釈迦の一生や仏教伝播の歴史がわかるジオラマも大変興味深いです。巨額をかけて建設されただけあり、非常に見応えがあるのにもったいないというのが正直な感想です。昭和から平成初期の隆盛と衰退を感じさせるユニークなスポットなので、興味がある方は一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。廃墟がちょっと怖いという方は、複数人で行かれることをおすすめします。